回数を増やしたいので、焙煎時の生豆の量を120グラムから60グラムにしてテスト。

直火&焙煎網の場合、網の中で生豆をまとめると全体の温度が上がりにくく、バラけると焼きムラが出やすいことを体感。豆の大きさが違うから、ハゼる豆もあればハゼない豆もあり、生豆がイエローに変わり始めるまでの時間と、イエローからブラウンに至るまでの時間もバラバラ。
1ハゼまでの時間を長めに取って、ハゼ始めたら思いのほか一気にローストが進み、早めに火から上げて冷却しました。
焙煎する時の温度の上昇率をRoR(Rate of Rise)と言います。今回は火力が強すぎ(火に近すぎ)て、RoRが高すぎたのですね。
焙煎時にコーヒー豆の温度が上昇することで、ブドウ糖(グルコース)や果糖などの糖がアミノ酸(タンパク質)と反応し、香りや芳ばしい風味になります。加熱により、糖とアミノ酸の間でメラノイジンといった褐色物質ができる反応で、メイラード反応と言います。
また、メイラード反応とは別に、糖を高温で熱することで甘苦さが生成されるカラメル化(キャラメライゼーション)があります。これらの化学反応が、コーヒーにコクと香り、甘苦さをもたらすのですね。

焙煎の浅深が全体の酸味と苦味を、メイラード反応とキャラメライゼーションが豆のフレーバーを引き立てます。焙煎する人は、生豆をどのように焙煎するかを設計します。
RoR(一定時間当たりの温度の上昇率)をコントロールすることが、コーヒー豆のフレーバーを決めるポイントのひとつ。これはもうどう考えても理科の実験以外の何ものでもありません(4:44 7:10)。